ひまわりキッズガーデン東雲
テーマの設定理由
クラス内に植物に詳しい子どもがおり、毎朝その子が登園時に持ってくる植物に興味を示す子ども達。
クラス内で散歩に行った際には多くの子供が植物を採取。押し花等の作り方にも興味を持っていた為活動を設定。
活動スケジュール
4月：植物に詳しい子が登園時に植物を持ってくる
4月：散歩時に植物の最終を楽しむ子供の姿が増える
5月：保育者が押し花の作り方を提案
5月：作った押し花や身近な植物を観察して自由帳に植物の絵を描く
活動のために準備した素材や道具、環境の設定
子ども達が持ってきた植物を写真で撮影し記録に残す
散歩時に図鑑を持っていき、その場で子ども達が植物を調べる事が出来るようにする
植物の保管に困る子どもが多くなり押し花の作り方を提案
植物の写真、植物図鑑、自由帳、押し花、植物の保管用の箱
活動中の子供の姿・声、子供同士や保育者との関わり
散歩で沢山のカラスノエンドウを集めた子ども達は興味を示し、「食べられるのかな」「何が入ってるの？」と実際に鞘の部分を開いて中の種を数えたりしている。植物に詳しい子が「カラスノエンドウは熟すとカラスみたいに黒くなる」と友達に伝えると「やってみたい」との声。保育者は保管用の箱を用意し子ども達と鞘が黒くなるのを待つ事にした。
その間子ども達は自分達が見つけたカラスノエンドウや様々な植物を観察し、その様子を絵にかいて楽しんだり、ノートに貼って図鑑のページを増やしていく。何日かすぎると実際に鞘は黒くなり、子ども達も「カラスのくちばしみたい」と大興奮。黒くなったカラスノエンドウを「どうにか保管できないか？」と考える子ども達であったが、以前押し花を作った経験から、子ども達からは「カラスノエンドウも押し花に出来るのでは？」と声が上がる。保育者もその結果が気になり皆で試してみる事に。結果は押し花として成功し子ども達大興奮。
「虹組の図鑑に貼ろう」と提案の声が上がり、「鞘、葉、茎」など絵だけではなく押し花も図鑑に貼ることとなり図鑑のページは充実していった。
活動内容
自由遊びの中で植物の描画
押し花の作成
図鑑の作成
振り返り
今回の一連の遊びの流れの中では「植物に詳しい子」や「押し花の作り方を覚えていた子」などの存在がキーとなっていたように思う。それら子ども達の得意が交じり合った先に「もっとこうしてみたい」といった展開があったように感じている。保育者はそれらの子どもの姿に対して、押し付けにならないようその子達の興味を満たす事が出来るような提案をしていきながら、周囲の友達にも影響を与えられるように展開する事が出来ればと考える。
テーマの設定理由
水遊びで色水を扱った経験から、色水の遊びは発展の様子を見せる。子ども達はジュースに見立てて楽しむが、以前は透過率の悪い絵の具の色水だった為子ども達はあまりおいしそうに見えなかった様子。
今回は食紅の色水を使用し、色の混ざり具合がより視認できるように、「また発色の違いを確認する事ができる道具を設定する。
活動スケジュール
7月：絵具を使った色水遊び
8月：食紅を使った色水遊び
活動のために準備した素材や道具、環境の設定
【準備物】
ペットボトル 色水(食紅使用) 色数3(赤・青・黄色)
タライ3つ 白色ライト
【配慮】
色水は決まった場所でコップに注げるように環境を設定する
光の透過で色の変化を楽しんだり、自分の求める色に近づいているか確かめられるようにする
子ども達のイメージのふくらみと共に遊びの変化があった際は柔軟に環境を切り換えて展開を楽しむ事が出来るようにする
活動内容
- 色水遊び
- 再現遊び
- ごっこ遊び
活動中の子供の姿・声、子供同士や保育者との関わり
子ども達は取組の前から「どんな色水ができるかなぁ？」と期待する声が聞かれる。活動を始めると自分で水を注ぎ好みの色を作る子の姿がほとんど。実際に「紫色ってどうやって作ればいいんだろう」など興味を膨らませる声もあり、保育者はヒントを与えながら自分で工夫する姿を見守った。
できた色水を使用し、「いらっしゃいませ」という声から、お店屋さんごっこに発展。さらに自分の求める色を作り出すために三原色をどのように混ぜるか試行錯誤する様子も見られていた。
振り返り
赤、青、黄色の三色を使用し自由に色水を混ぜ合わせながら変化を楽しむことができるように取り組んでいる。
子どもたちは初め色を混ぜ合わせるという行為そのものを楽しんでいた様子で、暗い色水になる子が多い。
白色ライトを用いて照らしてみせると、色水の見え方の変化に気付いた子供たちが自分の求める色を作り始めるといった姿が見られている。
どうやるんだろう、やってみたいという思いの基盤は、子どもたちの気づきからであると感じた。
テーマの設定理由
園の行事、稲刈り遠足。子ども達は「遠足」という言葉に期待感を高めていたが、保育者の「ごはんはどのように出来ているのかな？」という質問に、興味は「稲」そのものになっていった。保育者は、実際に遠足で子ども達が体験した出来事を共有しながら個々の絵を描こうと考えていたが、子ども達の「田んぼは広かった」という声から、みんなで大きな絵を描くというテーマに移行した。
活動スケジュール
9月 稲刈り遠足→造形活動「みんなの田んぼ」
活動のために準備した素材や道具、環境の設定
当初は画用紙の用意をしていたが、子ども達の声により模造紙に変更。
描画用のクレヨン
子ども達の声から追加した道具、素材→鋏、糊、本物の稲、ティッシュペーパー
活動内容
描画活動
集団描画に展開
活動中の子供の姿・声、子供同士や保育者との関わり
当初は個人画を予定していたが、子ども達と遠足の思い出を振り返る中で、「田んぼは広かった」「画用紙は狭い」との声があがる。それらの声からみんなで大きな虹組の田んぼを作ることを保育者が提案する。子ども達は「みんなの田んぼ」という思いからこちらの活動が魅力的に映ったらしく、活動内容を変更。
実際に当日の出来事を思い出しながら描き、保育者や子ども同士の会話が弾んでいった。「太陽が出てたね」といった一人の声に「でも雲が出てきてかくれちゃったよね」と出来事を共有し、その後保育者に「雲みたいなものはない？」と子どもから声があがる。
共に探す中で子ども達の目に留まったものはティッシュであり、自分たちが描いた太陽の上にティッシュを糊で貼るなどして当日の出来事を再現していた。また田んぼが出来上がっていく中で、本物の稲を使いたいとの声もあがったり、当日に見つけたトンボを描いて貼りたいといった声もあがる。
それらの声を模造紙に詰め込んでクラスの大きな田んぼが完成した。本物の稲を使う中では実際に稲の粒を数え模造紙に描いてみたりと数量への興味にもつながっていた。
振り返り
子ども達にとっての共通の思い出。これらが子ども達の声によって一枚の作品として完成し、そのことを共に喜ぶ子ども達の姿に集団としての育ちを感じた。
実際に稲の粒を数えて絵に反映させたり、捕まえたトンボをよく観察していたからこそ忠実に描写しようとするなど、多方面への興味の広がりも感じられた。今後もこのように興味を膨らませる事の出来る活動を取り入れていきたい。
テーマの設定理由
クラスに植物に非常に詳しい子がいる。その子の影響を受けて朝の登園時や散歩時に葉っぱを拾ってくる子が増えた。その姿に対して保育者がこすり出しの手法を伝えると、それぞれ自分の葉っぱを使い、こすり出しを楽しむ。次第に増えた葉っぱで木を作りたいとの声になり、小さな木を製作した。依頼を予定していた造形講師に、子どもたちが葉っぱに興味を持っていることを伝え、造形活動に繋げることとなった。
活動スケジュール
4,5月：観察から押し花づくり
7,8月：色水遊び
9月：稲刈り（自然体験）→造形活動（みんなの田んぼ）
10月：葉っぱ集めと観察 フロッタージュ（こすり出し）
11月：専門講師による造形活動（はじき絵）
活動のために準備した素材や道具、環境の設定
子どもが拾ってきた葉っぱの撮影
顕微鏡を使っての観察
色鉛筆・葉脈標本(講師が用意)
講師が準備した様々な色や形の葉っぱ
クレヨン・水彩絵の具(赤・青・黄)・平筆・丸筆・画用紙
牛乳パック(パレットの代わり)
活動内容
4,5月：自然を観察して押し花をつくり、話し合って図鑑にした。
7,8月：色水遊びで3原色の交じりを楽しむ。色への興味が深まった。
9月：稲刈りで自然体験をした後、思い出を大きな模造紙に皆で表現した。色々な素材を使って自分の見たもの、感じたこと、思いを表現する・みんなと一緒に一つのものを作り上げるという経験に繋がった。
10月：葉っぱの色付きに気付いた子ども達が、集めた葉っぱでこすり出しをする。「たくさん集まった葉っぱのこすりだし作品で木を作りたい」といった声から、興味のある子たちが共同制作。葉っぱの外側の形や葉脈への関心が高まる。
11月：外部講師を招き、葉を用いての造形遊び（はじき絵）を行う。色や形を捉えて自分なりに表現する楽しさを感じた。それぞれが切り抜いた葉っぱを、クラスのみんなで話し合って大きな木に貼って完成させた。
活動中の子供の姿・声、子供同士や保育者との関わり
11月、もともと葉っぱに対する興味が膨らんでいたこともあり、講師が持ってきた葉脈に興味を示す子ども達。
もともと植物に詳しかった子は葉脈の存在も知っている。じっくりと見ているうちに「なんか模様みたい」といった声も上がる。表現活動の場になると、机に並べられた沢山の種類の葉っぱに目を輝かせながら自分の好みの葉っぱを手に取る。
葉っぱを手に取った子ども達に対して外部講師は、葉っぱの見た目にとらわれないイメージが膨らむような声掛け「どんな匂いがする？」「虫食いの穴から何が見える？」「どこから来た葉っぱかな？」などをしていた。
それらの言葉を受け子ども達は「桜餅みたい」「だからピンク色なかんじ？」など自由にイメージを膨らませることを楽しむ。活動は”はじき絵”。自分が手に取った葉っぱを眺め、クレヨンで葉脈をじっくりと描くと「迷路みたい」「なんでこんな模様なの？」などの声が聞かれた。外部講師と保育者は答えを示すのではなく、興味が膨らむような声をかける。
クレヨンがの上から塗る水彩絵の具は三原色を使用し、色の交じわりを楽しみながら、「成功、失敗」ではなく自由に表現することそのものを楽しんでいた。
振り返り
子どもたちの興味関心から、観察（写真撮影、顕微鏡を観る、こすり出し）という活動に繋がった。
それらの経験を踏まえて外部講師による造形活動を取り入れた。導入での講師とのやり取りの中で、子どもたちからは「～みたい」「いい匂い」など自分なりに感じたことが言葉になって発せられていた。
子ども達が手に取った葉はそれぞれで、描き方のアプローチも様々。講師ははじき絵という手法を丁寧に伝えた上で、葉っぱの大きさや色、描き方などは一定の方法にとらわれず個々の表現を認めていて、それぞれが思ったやり方で描く姿が印象的であった。
”自由にのびのび自分の思うように描いている時の心から熱中している姿・集中力はすさまじく、1時間ほど続けている子もみられた。
保育者は、講師の興味の膨らませ方、表現を肯定される中で描くことが大切という視点を参考に、子どもたちの内面を出していける活動を展開したい。